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2022/7/4

Point of Buy®データの活用によって市場はどう変わるのか?

Point of Buy®データの活用によって市場はどう変わるのか?

mitorizでは、POSデータやID-POSデータよりも詳細に消費者の購買行動を知るための手段として、「Point of Buy®データベース」を提供しています。そこで今回は、mitorizの山室より、POBデータによってターゲット市場がどのように変化していくのか、活用メリットや現状の普及率、将来的な展望などについて解説します。

 

POBサービスは「購入時点の情報」をデータベース化する

――現在、日本国内で広く取り扱われている消費者の購買データは「POSデータ」や「ID-POSデータ」が一般的ですが、mitorizのPOBデータサービスはPOSデータやID-POSデータとどのような点が異なるのでしょうか。

「前提として、POSデータは『商品が売れた時点の情報』を記録しています。一方、POBデータサービスでは、商品が売れたときに発行されるレシートを元に『商品を購入した時点の情報』を大量に集めてデータベース化し、クライアント様に提供しています。

日本で広く活用されているPOSデータやID-POSデータは、『どこの店舗で、どんな商品がいくつ売れたか』という情報を含んでいます。しかし、POSデータは単に『ある商品が、何個、いくらで購入されたのか』を示しているだけで、ID-POSは『個人を識別するIDが振られ、性別や年代などの属性情報』が付加されますが、提携している小売り企業のPOSデータだけしか提供されません。

つまり、『消費者はなぜその商品を購入したのか』を知ることはできないのです。POBデータサービスは、データの収集時にアンケートなどを利用して消費者と双方向のやり取りが可能なので、これまで明らかにならなかった『なぜその商品を購入したのか』の部分を知ることができます。

レシートデータ分析で消費者目線のマーケティングを実現しよう

 

これまで難しかった消費者と企業の「双方向のやり取り」が可能になる

――POBデータサービスは、具体的にどのような仕組みで運用されているのでしょうか。

「当社のPOBデータサービスは、自社で運営するレシート投稿サイトのほか、提携している企業のWebサイトやアプリ上で消費者にレシート画像を投稿してもらう方法で消費者の購入情報を収集しています。レシート画像を投稿してもらった対価として、消費者にはポイント還元などの形で特典を付与する仕組みです。

先ほども申し上げたとおり、レシート画像を投稿するサイトやアプリの会員に購入理由のアンケートをするなどの方法で、消費者と企業が双方向にやり取りできるのもPOBデータサービスの特徴のひとつです。双方向のやり取りを可能にすることで、企業側から消費者に対して直接働きかけられるようになります。これによって、企業はより具体性のあるマーケティング活動や提案活動を行えます」

――ほかにPOBデータサービスのメリットがあれば、具体的に教えください。

「POBデータサービスは、消費者から直接レシート情報とアンケートを取得しているので、収集したデータを一般に公開可能な情報として扱うことが可能です。一方、POSデータやID-POSデータの場合は、小売店が公開しない限りデータは公開されません。POBデータを活用することで小売店ごとの購買情報がある程度明らかになり、『どの小売店で、どの商品がいくつ売れているのか』を導き出せます。

日本には、大小さまざまな小売店が存在していますが、現状ではPOSデータはあくまでも小売店ごとに独自のシステムでデータを収集しているため、業種全体の消費実態をカバーできるような横のつながりはありません。大手企業の一部のPOSデータや、ID-POSの提携企業データが公開されるケースもありますが、全国的にどのような商品が売れているのか、明確な指標となるデータは存在しないのです。

例えば、ECサイトなどでランキング1位を獲得している商品を見ると、『おそらく今はこの商品が市場で流行っていて、売れそうだ』と推測できますよね。しかし、本当にその商品が日本で最も売れている商品なのかどうかを具体的に知る手段はないのです。POBデータサービスは、この弱点をカバーしています」

 

POBサービスは自社の課題解決の過程で生まれた

――「Point of Buy®データベース」を開発するに至った経緯を教えていただけますか。

「元々、当社ではクライアント様に対して店頭・営業支援やマーケティング支援を行っており、小売店で取り扱うクライアント企業の商品の店頭販促などを日常的に実施しています。しかし、POSデータやID-POSデータからは『どのような商品がいくつ購入されたか』を知ることはできたとしても、『どのような理由で商品が購入されたのか』はあくまでも推測の域を出ません。POSデータやID-POSデータに蓄積された内容と担当者の経験値から『このような売り場を提案すれば売れるだろう』という推測に基づいて提案するしかない状況です。

『どのような店頭販促をすれば商品が売れるのか』について、クライアント様により信頼性が高い具体的な提案をするためには、『消費者がどのような理由で商品を購入しているのか』というデータを蓄積することが望ましいです。しかし、現状ではそのようなデータは一般に公開されているものとして存在しません。それなら自分たちで収集すればよいのではないか、と考えたことがPOBデータの生まれたそもそものきっかけです」

 

POBサービスの活用状況や主に活用されている業種・業態

――POBデータサービスの活用状況や、主に活用されている業種について教えてください。

「市場における普及状況でいえば、POBデータサービスはまだそれほど広くは普及していないというのが実態です。多くの消費財メーカーでは、今も小売店との関係性や、昔から活用している指標としてPOSデータやID-POSデータの活用が主流で、当社のPOBデータサービスは『より詳しく分析したい部分』にピンポイントでお使いいただいているケースが多いのではないでしょうか。

クライアント様が自社で保有しているPOSデータを軸に分析しつつ、特に重点的に分析したいと考えている部分に当社のPOBデータサービスを活用し、小売店のバイヤーへの提案資料のほか、マーケティング方針や営業方針を定めるのにお使いいただいているようです。

そのような意味では、『すべての購買データをPOBデータサービスで分析する』というよりは、POSデータやID-POSデータでは取得できない小売店の購買データを、POBデータで補完するといった意味合いで活用することに価値を見出されているのではないかと考えています。

また、業種・業態は、当社が消費財メーカーの営業支援やマーケティング支援を行っている企業だという背景もあり、同じように消費財メーカーのクライアント様が多い状況です」

 

POBサービスの活用によるマーケティング活動の変化

――POBデータサービスを活用することで、今後のマーケティング活動はどのように変化していくとお考えでしょうか。

「最近では、消費者の意識が『モノの価値』から『体験価値』に変化してきていると感じています。『安さ』や『おいしさ』などの単純な価値で商品を選ぶよりも、『ラベルレスの商品を買って社会貢献』『健康管理アプリを継続利用するとおすすめされる商品』など、体験に対する価値を企業が提供することで、消費者は何の価値に対価を支払うかを選ぶようになりつつあります。

どのような体験に価値を感じるかは消費者一人ひとりによって異なるため、個人に合わせた体験価値を提供することが重要です。このような点では、POBデータの収集によって消費者がどのような意図で商品を購入しているのかを知ることができるので、企業側がより消費者の実態に即したマーケティングや営業活動を行えるようになると考えています。

また、アンケート機能などを通じて消費者と企業が双方向にコミュニケーションをとれるようになるので、個人に即した体験価値を提供しやすくなるでしょう。

最近オンライン購買ではレコメンド機能が広く活用されるようになっていて、ECサイトなどを閲覧すると個人の趣向に合わせてパーソナライズされた商品をおすすめされる機会が増えました。これと同じような要領で、POBデータの活用も個々の商品の販売動向を知る目的だけに利用するのではなく、最終的には実店舗でのオフライン購買情報から、その個人の趣向に合わせた商品が届くようなマーケティングに活用できるようになるのが望ましいのではないかと感じています」

 

POBサービスの展望と今後の市場の変化について

――今後、mitorizではどのようにPOBデータサービスを展開していきたいとお考えでしょうか。また、今後の市場の変化についてもお聞かせください。

「当社は元々、店頭販促の依頼をいただいている消費財メーカーへ提案する機会が多いので、POBデータサービスをお使いいただいているのも、現状では消費財メーカーがメインです。まずは消費財メーカーや他企業を分析したい小売業にPOBデータサービスをしっかり活用されるように広げていきたいと考えています。その上で、他業種でもPOBデータの活用のお話は多くいただくようになりました。最近では広告分野での活用ということで、株式会社マイクロアドとの共同サービスをリリースしました。

mitoriz、オフラインの購買データを活用した購買予測分析サービス提供開始

これまでもID-POSデータなどを活用した広告配信などは行われてきましたが、ID-POSデータなどの性質や3rd party Cookieの規制を踏まえると、購買データでの消費者行動の広告活用は有効であると考えています。ほかにも購買データを活用したマーケティングや連携は市場の拡大が予想されるため、積極的に取り組んでいくつもりです。

市場においては近年、現金支払いからキャッシュレス決済へのデジタルシフトが急速に進んでいます。クレジット会社も同様ですが、キャッシュレス決済はあくまでも決済サービスを提供している各社に対して情報が送信されるので、その先に蓄積される具体的な購入情報を勝手に公開することはできません。このような変化のなかで、今後、紙のレシートではなく電子レシートを活用したデータ分析を積極的に実施していく流れが市場に生まれるようであれば、POBデータサービスも遠くない未来にキャッシュレス決済への対応を考えなければならないと思っています。

デジタルシフトに柔軟に対応しながら市場の変化にうまく適応し、クライアントの課題を解決するためのサポートを行っていくことが重要ではないかと感じます」

まとめ

POSデータやID-POSデータの活用が中心の市場にPOBデータサービスが登場することで、消費者がどのような意思を持って購買行動を行っているのかを、より鮮明に把握できるようになりました。企業は、POBデータサービスを分析に取り入れることで、これまでのような推測と経験に基づいたマーケティングや営業ではなく、具体的な根拠に基づいた施策を講じることが可能になります。

デジタルシフトによるキャッシュレス決済の普及が進んでいくなかで、消費者の購買行動から得られるデータを詳しく分析し、激しく変化していく市場の動向に柔軟に対応していくことが求められているといえるでしょう。

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